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中国ビジネス法務Q&A

質問2

一連の変更で中国への対内直接投資に関する規制に影響はあるか。

回答2

新規制は、2つの側面で直接投資に影響する。すなわち、中国への対内直接投資のための送金及び外商投資企業による中国からの送金である。

(1) 中国への資金の送金については、強化された通過貿易に関する送金の規制を除き、重大な影響はない。

一般的に、近年の新たな規則は、中国国外への送金に対する管理を強化することを中心とし、中国への送金に対しては重大な制限又は規制を含むものではない。通過貿易(又は中継貿易と呼ばれる)を除く多くの場合、中国に対する資金の送金は推奨されており、ここ数か月その手続や書類は簡素化されている。
通過貿易については、これに対する規制を強化することを明示する規定は新規則にない。もっとも、日本のいくつかのメガバンクでは、近時、通過貿易が厳格に管理されているとのことである。銀行は、通過貿易による中国への資金の送金手続を行う前に、取引の真実性を慎重に審査する。真実性審査のために、取引のインボイス、契約書及び船荷証券(一定の様式の証券の原本でなければ受理されない。)を銀行に提出しなければならない。銀行によっては、通過貿易による送金を制限するために異なる内部ルールを定めていることもある。

(2) 新規則は、外商投資企業による中国からの送金に関する審査手続及び必要書類を厳格化している。

外国の投資家が中国子会社から金銭を受け取る場合、新規則は、以下の各場面において直接的な影響を及ぼす。すなわち、①外商投資企業による海外の出資者への配当の送金、②外商投資企業が外国当事者に支払う技術ライセンスのロイヤリティ及びサービス料の送金、並びに③外商投資企業による外国出資者又はその関連会社に対する貸付である。
それらに対する影響として共通するものは、アウトバウンドの送金額(配当、ライセンスロイヤリティ、サービス料又は貸付のいずれであるかを問わない)が米国500万ドル以上である場合には、送金を行う銀行は、「高額報告」を国家外貨管理局に提出しなければならないということ、及び、送金は国家外貨管理局が承認した後に限り行うことができるという点である。各場面でそれぞれ追加的にもたらされる影響は以下のとおりである。

  1. 外商投資企業による海外の出資者への配当の送金の場合
    外商投資企業における5万米国ドルを超える送金は、取引の真実性を認証するための送金銀行による審査に服する。送金を行う外商投資企業は、配当を承認する役員決議、税務登記書面(送金額及び送金日を記載した原本が必要)及び監査を受けた財務諸表を含む、銀行の審査のための追加書類一式を提出する必要がある。外商投資企業は、外国の出資者に配当を送金する前に、過年度の損失を全て補填する必要がある。

  2. 外商投資企業が外国当事者に支払う技術ライセンスのロイヤリティ及びサービス料の送金の場合
    ロイヤリティ又はサービス料の支払額が500万米国ドルを超えるときは、送金を行う銀行は、「高額報告」を国家外貨管理局に提出する必要がある。国家外貨管理局は当該支払いの真実性及び法令遵守性を認証し、このとき取引書面(例:ライセンス契約書)、支払を承認する役員決議、資金源の証拠等の審査を求めることがある。このような国家外貨管理局の手続は、数週間あるいは数か月かかる可能性すらある。また、国家外貨管理局の承認が下りた後は、支払者は、当該支払に関して所管税務当局に申告したことを裏付ける税務申告書面、基礎となる契約書(例:ライセンス契約書)及び当該支払のインボイスを提出する必要がある。
    送金額が500万米国ドルを下回るときは、送金は原則として新規則によって影響を受けず、国家外貨管理局の承認は原則として不要である。新規則公布前の従前の実務では、支払者は、送金銀行に対して取引書面(例:ライセンス契約書)及び当該支払のインボイスを提出する必要があり、送金手続を完了するのに通常約5営業日を要する。

  3. 外商投資企業による外国出資者又はその関連会社に対する貸付の場合
    新規則は、外商投資企業による海外の出資者に対する貸付に関して、貸主、貸付額、利率及び貸付期間についての規制を課している。すなわち、①中国の貸主は、設立後1年以上経過していなければならない、②貸付額は、中国外貨管理局によって認められた資本割合に応じた額以内でなければならない、③外商投資企業による外国出資者に対する国内通貨での貸付と外国通貨での貸付の合計が、前年の監査を受けた財務諸表における所有者権益の30%を超えてはならない。④貸付の利率はゼロより大きくなければならない、⑤貸付期間は原則として6か月から5年の間でなければならず、5年以上の貸付については中国人民銀行の現地支店に対して届け出る必要がある。

中国法に関する最新情報

中国法に関する最新情報は、以下のリンクよりご覧になれます。

 

Chinese Antitrust Enforcement Against Tying, Exclusive Dealing, and Loyalty Discounts

 

Telemedicine Services Reimbursable in Guizhou Province of China, Digital Health Law Update, Vol. II, Issue 5

中国における最新の案件

ジョーンズ・デイが担当した最新の案件は、以下のリンクよりご覧になれます。

 

Actions Semiconductor privatized through MBO

 

ARA Asset Management forms ARA Harmony VI

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